緊縛旅行の最終日…濡れた長襦袢のまま「雪中緊縛」へと向かう


【前編のあらすじ】
歌舞伎町のハプニングバーで知り合い、「緊縛」の虜となって不倫の恋仲へと陥った広司と悦子。しかし、その禁断の関係が公となってしまい、四面楚歌の状態へと追い込まれた二人は・・・最初で最後の「緊縛旅行」を決意し、東北の某県の山奥にぽつんと建つ高級温泉宿で、愛欲の赴くままに縄を手繰らせ、お互いに身をまかせ合うのであった。
◆
「昨晩はよく眠れたかい?」
「ええ…ゆっくりと」
「それはなによりだ」
「ええ…」
「じゃあ、そろそろ出発しようか…」
「はい…」
二泊三日の「不倫旅行」の “二日目” を緊縛三昧で過ごした広司と悦子は、次の朝七時に眼を覚まし・・・窓の障子(しょうじ)を開けて、肩を寄せ合いながら “外” の景色を眺めている。
辺(あた)り一面が深い雪で覆(おお)われた銀世界──最後の “三日目” は、眼前に広がる真冬の寒山へと足を運び・・・「雪中緊縛」に興じるつもりだった。
昨日の「温泉緊縛」でまだうっすらと湿り気を帯びている赤い長襦袢を着付けた女に、 “この日” のために購入した麻の荒縄で胴体緊縛を施すグレーのスリーピーススーツ姿の男──準備は万端(ばんたん)だ。
「はは…僕のスーツも汗でびっしょりのまんまだよ。これじゃあ風邪ひいちゃうかもね…」
「かまいませんわ…風邪をひこうが高熱でうなされようが…今日の私たちに恐いものなんて、なに一つ無いのですから…」
荒麻縄で緊縛され素足で雪山を歩く「運命の女」


「俺はさ、残りの人生でもう一度だけ…心身ともに焼け焦(こ)がれてしまうような大恋愛がしたいんだよ。もし、そんな女と出会うことができたら、なにもかも捨てたって絶対に後悔はしない、一緒に死んでもいいとさえ思ってる…」
ライバルであり盟友でもある同僚の男とサシで飲んだ居酒屋で──アイツはそういうようなことを語っていた。
あのときは「なにを馬鹿なことを…」と一笑に付しておしまい・・・だったが、今ではその心情が痛いほど理解できる。
たしかに、俺はなにもかも捨てざるを得なかった・・・けれど、こうして「運命の女」と “永遠” の肉欲に溺れることができる “奇跡” を神から授かったのだから・・・こんな俺は最高の幸せ者じゃないか!?
真っさらな雪山の傾斜を・・・胴体緊縛されながらも慎重な歩調をキープし、素足で下(くだ)る悦子──そんな健気(けなげ)な姿を目(ま)の当たりにした広司の右頬に、一筋の涙がつたう・・・。
「仕事」より「緊縛」を選んだ女の刹那と慈愛


「俺は…俺は、すでに銀行マンとしては死刑を宣告されたようなもんだし…妻と子供にも逃げられた “終わってる男” だけど…お前はまだソノ気になれば “現場” に復帰することだって充分に可能だろ? なのになぜ…なぜ、キミは僕みたいな情けない男と一緒に…?」
会話中の一人称が「俺」と「僕」に・・・二人称が「キミ」と「お前」に分裂している。昨日から時おり、広司の言動に見え始めていた “発狂” の兆しである。だが、悦子はまったく動じない。零下の中──乾き切っていない赤い長襦袢の上から緊縛され、裸足で「終わってる男」に “雪中連行” を強いられているにもかかわらず・・・慈愛に満ちた微笑さえ浮かべ、こう答える。
「もう仕事のことなんて、どうだっていいんです…アナタと緊縛の悦(よろこ)びをこうやって共有できるこの瞬間こそが、私にとっては一番大切な時間なんです…」
極寒の雪山でサディスティックに聳り勃つ「聞かん棒」


数ヶ月前からしんしんと降り積もった雪面に脚を取られて尻餅を搗(つ)き、急な斜面を滑り落ちていく悦子──ただでさえ歩きづらい長襦袢にスノースパイクも履かず・・・おまけに両腕の自由さえままならぬ身ではしかたない。
とうの前からしもやけた素足の先が痛々しくあかぎれている。両眼をぎゅっと閉じながら苦悶に耐える従順な女の様(さま)を愛(め)でているうち──広司は不謹慎にもサディスティックな欲情を募(つの)らせ・・・寒気ですっかり萎(しぼ)んでいた逸物(イチモツ)を熱く怒張させた。
しもやけた女のつま先を口に含み…


「おお! 可哀想に可哀想に…その冷え切った足を…僕が温めてあげるから」
恩着せがましくもある “労(いたわ)りの台詞” をかけながら、広司は悦子の左つま先を両手で包容し・・・一通りゴシゴシと擦(こす)ってから、その親指と人差し指を口内に含む。
「含んだ」まま、二本の指の股にチロチロと舌を這(は)わせると・・・雪中で長襦袢緊縛されている女が「ああ…」と、艶(なまめ)かしい喘(あえ)ぎ声をあげて・・・。
「おやおや…この “応急処置” は足元だけじゃなく、股間をも “上気” させる効果があるんだね…?」
もはや “遭難” と隣り合わせと言ってもよい切羽詰まった状況とは場違いに能天気な──発狂寸前の中年男による、無邪気な “言葉責め” が、女の被虐心を忌(い)みじくも刺激する・・・。
[失楽其の七]に続く
緊縛師 HIBIKI
モデル あぃ
HIBIKI X https://x.com/KINBAKUHIBIKI?t=96_umbK1KYTOiUWl_M_JAw&s=03
あぃ X https://x.com/a1_mii?t=bXMF3c3dR2XEXKR5ooKIJA&s=03
撮影場所 群馬県某私有地
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